
みなさんこんにちは、大宮・東京・つくば校 講師の川本です。
先日、Yahoo!知恵袋で面白い質問を見つけました。
質問内容は画像にある通りです。
この質問とその回答たちにはいくつか『議論すべき問題』が潜んでいるので、ちょっとお話していこうかなと思います。
① これまでのボイストレーニングはメソッドに一貫性がない?
まず、この質問主の方は 「ネットを見るとさまざまな意見がありますが…(中略)、どれが本当なのか困っています。」とおっしゃっています。
これは「ネットにはボイストレーニングに関する様々な意見が載っているが、どれも言っていることが違っていて、どれを信用していいのかわからない」ということだと思います。
これってつまり、『今までのボイストレーニングは一貫性がないものだった』ということではないでしょうか?
(※これより下、KISSでは喉を開けるなんて指導を絶対しないのですが、とりあえず上の質問に合わせた例となっております。勘違いにお気を付け下さい!)
私の考えですが、何かスキルを身につける場合、
例えば「上手に歌いたい(目的)← 喉を開く(手段)」 というように、「〇〇をするために△△をする」という導き方が必要だと思います。
逆に言えば「△△(手段)をすれば○○(目的)ができる」という、誰がやってもできること(再現性があること)が必須です。
この時、例えば喉を開くために、「力みやすいから力を抜く」とか「口を大きく開ける」とか、手段をより確実にこなすための方法については、その人によって状態(条件)が違うので異なってくるわけです。
(ちなみに、「力を抜く」とか「口を開ける」とかはテキトウです。知りません。)
ですが、根本的な△△(手段)の部分は普遍的であると思います。
もちろん、『手段』が一つでなければいけないという事ではありません。
「歌が上手くなる(目的)」のために、A・B・C…etc.の解決方法はあっていいでしょう。
だけど、その場合でもすべての方法において、①結果的に誰がやっても目的を達成できること ②A・B・Cの方法が矛盾しあわないこと(交差点を右に行っても左に行っても家に帰れます、とはならない) が必要ではないでしょうか?
今までのボイストレーニングは、複数の『手段』が矛盾しあっていたり、そもそも一つの手段でもぶれていたり…。
再現性も一貫性もなく、「信用できない」ものとなってしまったのではないかと思います。
「喉を開けて!(わからんし、喉の筋力とりあえず使う)」→「喉は使わないよ!力抜いて!」→「はい~??」となるわけです。。
②『手段』の定義が明瞭でない
この知恵袋の回答を見ていてもそうなのですが、今までのボイストレーニングって説明が抽象的だなって思います。
例えば「腹から声を出せ」っていうけど、それはどんな状態のことを指すのでしょうか?
ベストアンサーさんの、
「その指導者の感覚に沿って素直にやってみるとコツが掴めるんです。」
を完全に否定するつもりはないです。
実際私も教えていて、自分の感覚やイメージをお伝えすることで上達する生徒さんもたくさんいらっしゃいます。
だけど、感覚というのはあくまで個人に寄ってしまうものであり、それとは別に、全員が同じく理解できる定義というものが必要です。
例えば、KISSでは共鳴というものを基準にレッスンするわけですが、「共鳴ってなに?」と聞かれたときに、「なんかビリビリする感じ~。」で終わりはダメなわけです。なので、共鳴とは「声が大きく響いている場所のことである。(声を響かせて歌おう、ということではない。)」と定義しています。
また、KISSは頭式呼吸という『空気の流れ(目に見えないもの)』という点では感覚的に指導することもありますが、基本的には筋力の動きなど、誰がやっても練習すれば身につけられる説明で指導しています。
もちろん「今日習って、明日できる」というものではありませんが、再現性はあると考えています。
…と真面目に語ってしまったわけですが、何が言いたいかっていうと、歌が上手うなりたい方はぜひKISSに来てください。
うむ、宣伝です。笑
ちなみに余談ですが、オリエンタルラジオの中田さんはかつて、PERFECT HUMAN(パーフェクトヒューマン)を考えた際に最初「自分が歌いたい」と思ったそうですが、「いや、あんなペットボトル膨らませて歌が上手くなるとは思えない。ボイストレーニングは絶対行きたくない」と思ったそうです。
ご本人にお会いしたことないので分かりませんが、YouTubeなど見る限りかなり頭のいい方だと思うので、やはり今までのボイストレーニング論には矛盾を感じたんだろうな、と思います。笑
今日は珍しく真面目に書いてしまいました。。
さて、今日もレッスン頑張ります~(*ノωノ)

大宮校よりメッセージ
KISSはPops・ROCKのための新しいボイストレーニングです。
これまでの腹式呼吸(ベルカント唱法)を基礎とするボイストレーニングとは異なります。
これまでのボイストレーニング業界は資格というものがなく、『歌に自信がある』『歌を学んだことがある』人であれば誰でもトレーナーとして指導ができてしまうのが現状です。
しかし、歌にはジャンルがあります。どんなプロであっても、そのジャンルを越えて他のジャンルを指導することはできません。
つまり、たとえ音大を卒業しどれだけ音楽に精通していようと、Popsを学んだ経験がないのであればPopsを指導することはできないはずなのです。
ですが、ボイストレーニングはこれまでジャンルを越えた指導が続けられた結果、その内容が無責任にも拡散してしまい、ボイトレ難民とも言える方が増えています。
“自分が習いたいもの”と”習っているもの”のギャップに苦しんでいる方がたくさんいるのです。
「安い」が良いのではありません。
クラシックを習いたいのなら、声楽の教室へ。
Popsを習いたいのなら、Popsのボイトレへ。
そうやって「自分が学びたいもの学べる業界へ」とボイストレーニング業界は変わるべきです。その一歩として、KISSのトレーニングは生まれました。
まだまだ小さな教室ですが、歌が大好きなすべての人のために、KISSの理念を応援いただければと思います。よろしくお願いいたします。